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素朴な疑問?
食品の裏側から 安部 司
添加物にも「組み換え」
安全性や自然界への影響、倫理面などから賛否両論ある遺伝子組み換え技術。
それを食べたくないという人がいる以上、消費者の選択する権利を守るため、きっちり表示すべきだと私は思います。
遺伝子組み換え技術は、農作物だけに使われているのではありません。
国の認可の下、意外なところで駆使されています。
ほとんどのインスタント食品や、便利な「△△の素」に入っているうま味調味料の王様「グルタミン酸ナトリウム」もその一つ。
グルタミン酸は昆布などのうま味成分で、それ自体には、ほのかな酸味とうま味がある程度ですが、天然にはないグルタミン酸ナトリウムという化合物になるととてもうま味が増します。
このグルタミン酸を作るのが、遺伝子組み換えされたバクテリアです。
化学調味料という呼び名は、かつてグルタミン酸が石油から合成されていたこともあるため、そう呼ばれるようになったのでしょう。
今は遺伝子組み換えによってその能力を強化されたグルタミン酸生成菌がサトウキビから砂糖の結晶を取った後に残る糖蜜やデンプンを餌に、せっせとうま味の素を作ります。
生き物が作るのですから、これは「化学」ではありません。
だから業界では「うま味調味料」と呼ぶようになりました。
シイタケ、かつお節のうま味といわれ、この連載によく出てくる「リボヌクレオチドナトリウム」も同様。
残念ながら、同じタイプのものを二つ以上使うと「調味料(アミノ酸等)」の一括表示で済むので、その名をなかなか目にする機会がありませんが・・・・。
今のドレッシングには、とろみをつけたものが多いですよね。
片栗粉のとろみよりはサラリとしていますが、これはドレッシングを野菜によく絡ませるため。
このとろみを付けるための「キサンタンガム」を作るのも遺伝子を組み換えられた菌。
人気のノンカロリー甘味料「アスパルテーム」、味噌を着色する「リボフラビン(ビタミンB2)」もそうです。
このように遺伝子組み換えられてつくられた添加物は全部で74品目。
厚生労働省は「アミノ酸などの最終産物が高度に精製され、組み換え技術によるタンパク質が含まれていない」などの理由で、そのうち57品目は表示の必要はないとしていますが、消費者として、添加物に遺伝子組み換え技術が使われていることは是非知っておきたいものです。
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この国はいったい何やってんだろう?
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